女の一人暮らしもこれで安心!私がチョイスした鍵

私の父親は私のことを溺愛している。欲しい物はたいがい何でも買ってもらえたし、私が近所の男の子から田んぼに落とされたときなんて、相手の男の子の家に怒鳴りこんだこともあった。父は優しくもあり、心強くもあるけれど、思春期になるとそれが少し重くなってきた。なぜなら高校生のときの私の門限は6時だったからだ。これではバイトはもちろん、友達とも思う存分遊ぶことはできない。説教覚悟で門限を破ったことも何度もあったけれど、そのたびに父は酒をあおって飲んだくれて私に罪悪感を植え付けようとするのでうんざりだった。

だから大学を選ぶとき、実家のある地方からなるべく離れた東京の大学を選ぶことにした。コレを学びたい、というよりも、コレなら東京の大学でしか学べないという学部を選んだ。もちろん父にはものすごく反対された。だけど私の青春を父に潰されたくないという思いの方が強かったのだ。もちろん申し訳ないなという気持ちも、あったけれど。

そして無事東京の大学に受かり、マンション探しを始めた。父からは防犯対策のしっかりしているところにしなさいと言われていたので、オートロック付のマンションを選んだ。ところがその物件を決めた矢先、オートロック付マンションに一人暮らしする女性が強盗に押し入られて殺されるという痛ましい事件が起きた。父がそのニュースを見て、やっぱりひとり暮らしを止めろと言い出しはしないかとハラハラしたので、私は「ドアにもう一つ補助錠つけるから」と言った。色々調べてみたら、内側に設置してリモコンで開閉できるという補助錠があることを知った。これならば外側からどうやっても開かないから、女の一人暮らしでも安心だ。父はまだ苦虫をかみつぶしたような顔をしていたけれど、父に「やっぱり行かせるんじゃなかった」と思われないよう、日頃から防犯には気をつけて生活しようと決めたのだった。