実際にあった鍵にまつわる怖い話

大学卒業後就職も決まり会社のほど近くにアパートを借りました。一人暮らしの新生活がスタートして気分も良く仕事もやりがいがありとても張り切っていました。毎日くたくたになって家に帰り夕飯を作って食べて寝るという生活が続いていましたが、ある日いつものように帰宅すると、朝出かける前にはテーブルに置いておいた雑誌がテーブルの下に落ちているのに気がつきました。その時は何かのはずみで落ちたのだろうと特に気にはしませんでしたが、翌日帰宅して喉が渇いたのでジュースを飲もうと冷蔵庫を開けると、ジュースが残り一口分くらいしか残っていませんでした。私は飲み物があと残りわずかになると全部飲みきるようにしているのでこれには非常に違和感を感じました。ひとつ違和感を感じると色々なことが不自然に見えてきます。テレビやエアコンのリモコンの位置が微妙にずれていたりトイレのスリッパが少し乱れていたりと、まるで私以外の誰かが住んでいるかのようです。でもワンルームのアパートですから人が隠れるような場所はありません。怖くなったので部屋にカメラを設置してみました。そしていつものように朝会社へ出かけ帰宅してカメラの録画チェックをしてみると、なんと見知らぬ人が私の部屋で生活をしているではありませんか。私が出かけて行ってしばらくするとまるで自分の家のように鍵を開けて入ってきて、エアコンやテレビをつけソファに寝転がって休んでいます。ショックを受け録画したものを警察に持って行き大家さんに事情を話すと、どうやら前の人が出て行った後特に鍵を取り替えていなかったことがわかりました。

自分以外誰も鍵をあけられないはずの玄関の鍵が、いきなり開いて誰かが入ってくるというのはとても恐ろしいことです。ましてや知らない間に知らない人間が自分の生活空間で生活しているとなると・・・

アパートやマンションを借りる時には家の鍵には気を付けましょう。